蒼黒の楔 総合評価

出来るだけ記憶が新しい内に書き示しておく。
追記にてネタバレした形で考察(?)らしきものを書く。見たい人だけ見てやって。

・主題歌、ムービー(OP・ED)
今回は一番よかったと思う。今作ではしっくり来る曲だと満足。そして成長したのかムービーが綺麗。とりあえず歌とムービーについては期待してもいい。

・ストーリー(シナリオなど)
1では誤字脱字が多かったが気にしなかったら良作。2ではあまりにもあっさりしすぎて評価が低かった。
今作はそれらをいい方向へなんとか持って行けたようで安心。誤字脱字はプレイ中は特に無かったと思うし、心情や描写もよかったと思う。

・キャラクター&CG
今回はヨネさんは参加していないという噂があったが、そんなに気になるほどの原画の違いはないので、ヨネさんじゃなくてがっかり……と気を落とさなくていいと思う。……ってか基本的にヨネさんの提案を二人の担当者さんに渡して書いた(あくまで私の推測)っていう感じがしたのでそんなに気にならない。……というか、私はキャラよりもストーリー重視なんでストーリーさえよければヨネさんだろうが違う人だろうが構わないんだが。しいていうなら色の濃さが前作よりも明るめになってる感じ。薄めって言えばいいのか?

・音楽(BGM・効果音)
今回は落ち着いた音楽が多くて結構感情移入しやすかった。悲しい話に、寂しい曲を流されると涙を誘われ気がつけば涙を流していた、なんていうことがしばしばあった。(とりあえず涙もろい人で涙を流す理由は音楽のよさにも原因があると思う←いい意味で)
効果音は結構下げててくれてて爆発音は抑え気味での演出。普通の音量でやっていれば煩く感じることはないと思う。大丈夫、1よりは落ち着いているんで。
……しいていうなら、ED曲の基礎音量を下げてほしかったな。(最初小さい音だから聞こえやすいように、という配慮だと思うが)

・システム
前回の記事で書いたが、アドベンチャーではなくサウンドノベルに変えて欲しいと思う。……短編がサウンドノベルだったんだからできると思うんだが。その分シナリオも詳しく書けるようになるわけだし。
あと個人的にセーブ数を増やして欲しかった。新キャラ二人も増え、12個は少ないような気がする。私の場合今回は悲恋の最終選択肢でセーブしてグッドと悲恋の両方をすぐに見られるようにしたかったのだが……16個にしてくれ。(無理)
新システム「映し鏡」はいいアイデアだと思う。だが、登場する度に読むか読まないかっていうのはどっちか一方にしてくれた方がよかったと個人的に思った。いちいちどっちを選ぶのかさえめんどくさかったのは私だけ?(しかも中身は過去の話やらなんやらと本編とは直接関係ない(ことはないが)話も入ってくるんで困る)シリアスなのにギャグ展開な短編を読んだりすると変と思うんじゃないか……と思う。(私は全部後回しにしてクリア後に全部読んだんで変な感情は浮かばなかったが)
あと個人的な話、主人公争奪戦な話はもう止めてくれ。なんかメイン視点な守護者がかわいそうになってきて同情してしまう。(待て
たまにはメイン視点守護者が主人公といい雰囲気してあげてくださいな。(単に逆ハーが嫌いっていうだけなんだが)

1ではお馴染みであるおみくじシステム。……正直これとおさらばしてほしかった、と思いながらやっていくと前作とは違いスチルが集まりやすくなっている。1では大吉○枚、小吉○枚というめんどくさい条件(しかもおみくじの結果は運)だったんだが、結果を点数に変えて点数分と交換するという集まりやすくなっていて大変ありがたかった。多分、3人目攻略中には全部揃えられたと思う。ユーザー配慮ありがとう。……でも、やはりCGはやめて他にしない?なんか、CGは見飽きた。……緋色の格ゲーは是非実現してほしいなと思う。そうなるとやはり珠紀は不利すぎる!(笑)てかね、敵は1人に対して守護者2人って卑怯じゃないだろうか(苦笑)

総合的評価
今作は1の時のプレイをいまいち思い出せないのだが、2よりはいい。よくなっている。期待してくれていいと思う。だいたいシナリオは2より多く、1より少ない。2と1のちょうどいい中間ぐらいなんで難なくクリアできると思う。(途中放棄はしない、と思う)
そして、個人的に主題歌の曲選びは大満足。1と2は確かにいい曲なんだが、緋色に合ってるような合ってないような微妙だったのだ。だが今作はOP・ED含みいい曲だ。あとムービーも綺麗になっている。あと、今作は拓磨・遼ルートを先にして真弘・祐一ルート、慎司・卓ルートの普通の順番でやっていった方が私的には無難。個人的に慎司・卓ルートから逆にやっていったので、王道な拓磨と遼が薄く見えしまった。(あくまで私の意見)

とりあえず早くクリアをしたいのならば「映し鏡」の短編は全て後回しにすることをお勧めする。(というかタイトル画面からいつでも読めるんで今すぐ読めというわけでもない)それに短編を読んだときにすぐに思い出すと思う。私はすぐに状況は読めた。

追記はネタバレおおありなんでネタバレされたくない人は見ないことをお勧めする。

まずは、私がクリアしていった攻略道順を。

慎司→卓→祐一→真弘→ケテル→遼→拓磨→凜

最初に書いたとおり、私は逆からやって行きました。なんで、典薬寮の新キャラ、五瀬新をそんなに好きではないが嫌いではなかった。多分拓磨・遼、真弘・祐一ルートを先にやったプレイヤーはむかつくやつだなぁと思っただろう。なんかぷっちーんと我慢袋を破る生意気な口を叩くお兄さんでしたからね。……でもやっぱりこち亀の……(強制終了)

【慎司・卓ルート】
ここは先ほど書いた内容でもう分かるかと思うが、典薬寮・五瀬家のことや元凶である2つ(陰・陽)の鏡について展開されるルート。まあ普通のプレイヤーならば先にやらないだろうルート。そこで大体のことが分かってしまうんでね。だから結構他のルートをやると微妙だったな。でもある意味2つのルートをやる前に鏡のことは知っておくことに越したことはない、とも思うわけで。全てはプレイヤーが先に何も分からずにやり、後で詳しく知るほうがいいか、初めに大体把握した上で他のルートの結末を見届ける(私はこちらを選んだ)方を選ぶか。……その代わり、五瀬家についていまいちよく分からずに説明されてぽかーんだったが、他のルートをやっていくと理解していく。(いや、普通に理解できるのだがなかなか受け止められなかったというかなんというか)
前回と同様、卓関連は大人の苦〜い裏の事情を伺える世界を漂わせます。というか裏方ルートと言い換えても過言ではないかもしれない。
プレイ順は慎司からやった方がいい。卓は後にした方が面白い。っていうか、五瀬家の事は卓で分かるんで、あまり知らされない慎司ルートを後にすると後味悪いかもしれない。

そして新キャラの一人、女に見えるが男だ、凜もこのルートからいける。こちらも詳しくはプレイ日記を参照。
凜の場合は、とりあえず全攻略の中で一番最後にしたほうがいいかもしれない。私も、最後にしてがっかりはしなかった。(いろんな意味で)とりあえず、守護者ルートの拓磨・遼ルートを先にやっておいた方がいい。先にやってしまうと、後味悪いかもしれない。ストーリー的に、またキャラをみて、凜が好きだという人は特に要注意かも。そして、もうめんどくさいとかしたくない人は別にしなくてもいいかもしれない。……私的には知らないままで守護者ルートで終わりにする、という結末もあると思う。あくまで時間がある人やどうしても最後までしないとプライドが許さないというゲーマーな人はやってもいいと思う。やらなくてもストーリー自体はおかしくはない。……けども、「映し鏡」が揃わないまま・凜CG埋められないままで終わってしまうわけだが。とりあえず「真実」を知りたいという人だけお勧めするルート。真実を知って、拓磨と遼を嫌いならないでやって。そういう結末もあるというだけを……。(一応フォローしてるつもり)

【真弘・祐一ルート】
このルートは鏡の現象というよりも、ロゴスの事件の真相をメインにした感じを漂うロゴスルート。3からの新人さんに関してはわけわかめな感じから進めたと思うが、1からのプレイ者ならば興味深いルートだったのではないかと思う。しかも、人気キャラ2人だしね。……ていうか1の主役級だった真弘が脇役級に下がってしまったことに初め驚いたのだが。
このルートは祐一ルート先プレイ者の私が言う。とりあえず真弘からやった方がいい。何も知らない方から行った方がいい。

そして、このルートから新キャラの一人ケテルルートへいける。詳しくはプレイ日記に示しているのでそちらを参照。
テルルートはとりあえず真弘・祐一ルートの後にやった方がしっくりくるかと思う。守護者側と敵側の視点で結構面白い展開がある。ケテルは初め裏切り者! と恨む人もいるかと思うが、その気持ちをなんとか抑えてケテルルートをプレイすることをお勧めする。きっとその考えは変わると私は思う。彼も彼で結構辛い経験を積んでいるのです。人生いろんなことがあるのです。
正直、私はケテルルートで普段泣かない私が涙を流してしまった。だからケテルルートによる感動の期待は裏切らないと断言する。というか、最初に出てきた『ニール』の人の最期も見届けてほしいし、ケテルの試練も貴女の目で見届けてやって欲しいと思う。

そして、ロゴスメインなんでアリアと行方不明だったフィーアも活躍する。この二人の会話でも涙を流してしまった。ロゴスは最高だ。……守護者から卒業してロゴス応援しようか? ストーリー的にもいい感じだし。(まて)
アリア・フィーアの活躍も期待してOK.二人の主従関係のような時に親子のような関係を持つ、二人が好きだという人は特に期待していいと思う。

【拓磨・遼ルート】
これは言わずもがな、王道のルート。普通ならここからやるであろうルート。ここはとりあえず鏡の現象や世界を救うヒーロー的な展開を見せている。……てか遼、1では脇脇役(というかおまけ役?)だったお前が急に主役級にはい上がるなんて一体何の手を使って真弘を落とさせたのか謎だ。。。←
全てクリアした私は言う。最初にここをやるべきだった。今更後悔しても後には戻れない(データを消せばできるがもう疲れた)んで様子見な人や買おうと思っている人はどうか、ここからスタートしてくれることを祈る。とりあえずこのルートを1回クリアすると凜ルートできる、かもしれないが凜ルートは最後に取っておくべき。間にやりたいのなら、この二人のルートを最低限終わらせることだけを勧める。終わらせずに攻略すると、彼らの立場が……。
んでもって、私のように裏方からやっていったのでさらに内容が薄くなる、かもしれないということだけを言っておく。何も知らないままで王道を先にやっておくべき。その方が楽しく、面白く終われると思う。

あと、個人的に思うんだが……このルートだけ何故か悲恋EDが難しかったと思う。個人ルートに行くまで少しでもメインキャラをそらせてしまうと強制的にあの世行き=臨時相談所に行ってしまう。なので悲恋を見る人は特に注意して悲恋を目指してほしい。ていうか、3段階行くまでが簡単すぎる、この二人。

【映し鏡】
一応うろ覚えだがどんなものがあったのかを載せておく。内容は各個人で確認してみてほしい。

・拓磨(先祖・主人公を気を失わせた後の拓磨視点・拓磨視点真弘と主人公について話す)
・真弘(1より前の話・プールの話)
・祐一(先祖・探偵物)
・慎司(1の主人公に対する慎司視点・校内ラジオ)
・卓(授業参観・幼い頃の主人公との出会い)
・遼(進路・テスト)
・ケテル(守護者の大切なもの・アリアとの出会い)
・凜(千年前の記憶・オサキ狐・ババ抜き)
・清乃(卓ルートの芦屋との会話)
・アリアとフィーア(フィーア視点のアリアとの出会い)
・新(小さい頃の幸せな話)
・美鶴(1の時の美鶴視点主人公のこと)
・主人公(主人公視点の凜のこと)
・1関連(鬼斬丸のこと)

ざっとこんな内容キーワードを書いてみた。もうほぼ流し読みな感じで読んでいったので足りないところとかあるかもしれない。その時はすまん。
一応全キャラ攻略完了すれば、全部「???」を埋めることができる。(発見されてないところは「???」になっている)あと、攻略したのに出てないやつがあるのならばそのメイン物語にあたる視点が最も深い心情を描かれているところを探せば見つかる。全部が全部、グッド・悲恋ばかりではない。臨時相談所に行かなければいけない状況に追い込まれないと出てこないものもあったりするのでよーく探してみてほしい。

個人的には守護者より先祖・ロゴス・典薬寮・カミの話の方がいいと思う。守護者はあくまで主人公との絡みといつもの日常短編集って感じ。笑いを欲しいなら新キャラ二人がいいと思う。
恋愛関連が気になるのならば、清乃を是非読んでみて欲しい。目をうるっとさせてくれるいい話が見れる。
いい意味で感動がほしいならフィーアとアリアの出会いがいいかもしれない。これを読めば本編で二人の興味深い会話の意味も理解できるかも。1からやってる人はよりいっそう感動するだろう。


この映し鏡の短編の、特に清乃ストーリーを読んでいるとなんだか緋色がこれで終わりって感じがするのは私だけ? まあそれならそれでいいんですが。綺麗な終わり方だしね。

だが、次作るのならばもう拓磨達は無に近いんじゃないかと思う。今作はなぜか1の続きという形で出てきてしまったが、結構いい終わり方をしたんで拓磨達による次作は出さない方が個人的にいいかも、しれない。(いや、また作っても買ってしまうんだろうが)
次作があるとすれば、2の続編かまったく新しくするかのどっちかだろうと思う。


面白そうなストーリーを個人的に語りたいのでついでに書く。
拓磨達で新作っていうのは先ほども書いたが無理に近い。今作は、1では一切語っていない3からの新しい設定が急遽追加されたことで違和感がある。祐一と卓が小さい頃から主人公を知っている時点で。1ではそんな素振りはなかったし、第一今作の鏡のことは1の鬼斬丸の話とまったく(ってわけでもないが)関係がない。鬼の話は鬼斬丸のだと1で嫌ほど聞かされていたし、3では実は鏡の継承者が鬼だと全く新しい設定を入れている。……まあ後者は真実を先祖が消していたから知らされていなかったということでごまかされたのだが。

だから、面白いなというのは玉依視点は止めて、ロゴスや典薬寮の視点をした話をするのはどうだろうか、と思うんだが。結構面白そうに思う。玉依視点はもう2で落ちてしまったし、もう思い切って違う視点からやるって言うのも案外面白いかな、と思うんだが……やはり「玉依姫奇譚」だから無理か?

それか、もういっそのこと「玉依姫」からはずして違う神の話をメインに持っていくとか。
……次回作はあるんだろうか。(まずそこからだ)